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バフェットの教え②~インフレに備えよ~

そもそも投資とは何か?

 

バフェットは次のように定義します。

 

「将来において(税引き後で)より大きな購買力を受け取れると論理的な期待をして、現在の購買力を他の何かに変えること」

 

ここで重要なのは「購買力」という表現です。

 

日本銀行がターゲットとしている物価上昇率2%の世界では、今日100円で買えるものが、1年後102円となってしまいます。そうすると、今日財布の中に入っている100円玉では来年同じものが買えなくなってしまうわけです。

 

我々は今日の100円を来年102円に増やさなければ購買力を維持できないのです。

 

現在の消費を控えて将来の消費の時点でこの購買力を向上させようとするのが投資であり、逆に購買力を維持できなければ資産の保全手段としては失当といわざるをえません。

 

一方、バブル崩壊後、日本が苦しんだデフレの世界では、物価が下落し続けるわけですから、今日買うより来年買った方がお得、すなわち現金を保持し続けるだけで購買力の向上が達成できたわけです。

 

では、最近の生活実感はどうでしょうか?

 

運送料金の値上げ、飲食店の値上げ、価格は同じでも内容量の減少と、インフレの足音が確実に聞こえているように私には思えます。

 

このインフレの脅威(通貨価値の下落)についても、バフェットは手紙に記していますので、抜粋してご紹介しましょう。

 

「1964年から2014年までで、S&P500指数は84から2,059へ上昇しました。配当を再投資したとすると、総リターンは11,196%でした。

 

一方で同じ時期における米ドルの購買力は、驚きの87%の下落でした。

 

株式と米ドルとでこれほどまでに成績が異なることは、投資家に対して重要なメッセージを伝えています。

 

過去50年から導き出された驚きの結論は、米国債のような価値が米ドルとつながっている有価証券に投資するよりも、多様なアメリカ企業の株式に投資した方がずっと安全だったことを教えています。

 

投資家は、この歴史に留意すべきです。

 

次の世紀も同じことがある程度繰り返されることは、ほぼ確実です。

 

現金同等物より、株価のほうがいつもずっと不安定です。

しかしながら、長期的に見れば、通貨にリンクした資産は、長い時間をかけて購入し、わずかな手数料で保有されている幅広く多様な企業で構成された株式ポートフォリオよりも、危険な投資なのです。ずっと危険な投資なのです。

 

もちろんですが、1日や1週間あるいは1年という期間では、株式を保有するほうが資金を現金同等物のままにしておくよりずっと危険であることは真実です。

 

なので近々必要になるかもしれない資金については、適切な額を国債や銀行預金で保有しておくべきです。

 

しかしながら、大多数の投資家は数十年単位で投資できますし、またそうすべきですから、相場の下落は重要ではありません。

 

長い投資期間を通じて購買力を増加させる点にこだわり続けるべきです。

 

そうすれば、長い時間をかけて買い付けた多様な株式ポートフォリオのほうが米ドル建ての有価証券よりずっとリスクが少ないことが、やがて証明されるでしょう。」

 

(2014年度・バフェットから株主への手紙より)